【ターンテーブル動画】 慎ましい10inch SP盤 2点

大名演ではないけれど、ビルとビルの間の裏道に咲くような名もなき花のような10inchのSP盤2枚。


まずは、メリシェント・ドルメッチ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)& ルドルフ・ドルメッチ(ハープシコード)による『ヴィオラ・ダ・ガンバとハープシコードのためのソナタ 第1番 ト長調 BWV1027』より第4楽章 「アレグロ・モデラート」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古楽演奏のパイオニアで鍵盤奏者だったアーノルド・ドルメッチを父に、1906年に生まれ、第2次大戦中の1942年、後方支援船「SSセラミック」乗船中に大西洋上で敵潜水艦(Uボート?)の魚雷に散ったハープシコード奏者兼作曲家、ルドルフ・ドルメッチ。

Rudolph Dolmetsch

彼の妻でヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のメリシェントと1930年代に録音したレコード。

多くが古楽復興に見向きもしなかったような時代であったにもかかわらず、父同様、歴史的演奏を模索していたドルメリッチ夫妻の録音。

因みに彼について調べていたら、1937年5月26日(水)午前10時45分~11時30分、イギリスBBCのラジオ番組「A Programme of GRAMOPHONE RECORDS」でこのSP盤がオンエアされた記録が残っていた。
ついでにこの日のロンドンのお天気を調べてみたら、乾燥してこの時期にしては暑い日だった模様。そう思ってこの演奏を聴くと、ロンドン市民が午前のティー・タイム、ラジオから流れるこの演奏に耳を傾けていた映像が目に浮かぶ。
平和・・・。

 

 

 

つづいて、アメリカのMusickraft Records Inc.のMASTERPIECEレーベルの10inch SP盤。
バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006」より『ガヴォット』。

 

 

 

 

 

 

 

 


ただし、ピアノ伴奏つきの編曲版。さらにレーベルに演奏者の表記がなく、謎な1枚。

少し調べてみたら、MASTERPIECEは1930年代にダイム・ストア(DIME=10セント硬貨 から安価な雑貨店の意、今で言えばドンキ、あるいは100均?)での販売専用レコードを制作するレーベルだった模様。他のレコードも「名無し」や、ただ「Orchestra 」としかプリントされていないものばかりだったようだ。
用途は音楽教育教材、もしくはホームミュージック、といったところか?

バッハの無伴奏全6曲には、シューマンによるピアノ伴奏つきの編曲版があることは知られているが、聴いてみればこのSP盤はシューマン版ではないことは明らか。ますます謎が・・・。

c/wはサン=サーンスの『白鳥』。

演奏そのものはシューマン版がロマン的感性を反映させたものに対し、こちらはいたって折り目正しい演奏。『白鳥』もポルタメントやアコーギクもほとんどなく清新な演奏。

さて、一体誰の演奏? 大物の覆面演奏? それとも名もなきヴァイオリニスト?

 

 

【プレーヤー】

Techinics SL-1200Mk4(78rpm対応機種)
【カートリッジ】
audio-techinica VM670SP
【フォノ・イコライザー】
合研LAB GK05 monoSP(各種イコライザー・カーブが簡単に設定できるモノ盤とSP盤に特化したイコライザー。コスパ最高!)

 

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