【ターンテーブル動画】H.シェルヘン 『ブランデンブルク協奏曲 第2番 BWV 1047』 1954年(1回目録音)

ヘルマン・シェルヘン(1891-1966)がセント・ソリ管弦楽団とレコーディングしたブランデンブルク協奏曲全集より第2番 ヘ長調 BWV1047。仏Le Club Francois du Disque CFD034/36(オリジナル)より。
シェルヘンは1960年、WESTMINSTERにW.ボスコフスキーをはじめとするウィーン国立歌劇場管弦楽団メンバーとブランデンブルクを録音しているが、こちらはそれとは全く異なる超マジカルな演奏が繰り広げられている。

 

 

 

昨日6月12日がシェルヘンの命日ということで、クラシック好きな方々のTwitterでも彼のこと、録音が色々と取り上げられていた。
「ヨハン・セバスチャン・バッハ 教会カンタータの時間」のTwitterアカウントでフォローさせていただいている作曲家や演奏家の誕生日や命日をこまめにツィートされている「坂井康徳」さん、シェルヘンの快(怪)演として知られているフランス国立放送管弦楽団とのマーラー『交響曲第5番』を取り上げられていた「秘密の小箱」さんのツイートに刺激され(笑)、マーラー同様の“やりたい放題”が楽しい彼1回目のブランデンブルクを取り上げた次第。

 

因みに「セント・ソリ管弦楽団」はパリ音楽院管弦楽団、コンセール・ラムルー管弦楽団、パリ・オペラ座管弦楽団などのメンバーによって組織されたレコーディング専門のオーケストラらしい。各曲のソリストはこれらのオーケストラの首席奏者たちだ。Le Club Francois du Disqueにはこのオーケストラの名前がクレジットされたレコードがたくさんある。


シェルヘンという人は実に不思議な音楽家だ。

元々はベルリン・フィルのヴィオラ奏者で、指揮者以外にも作曲家、教育家、音楽理論家、著述家、出版社経営、電子スタジオ経営・・・という顔を持つ。
現代音楽の庇護者、理解者(彼が生前に初演した曲は200曲以上あり、その中にはあのベルクの『ヴァイオリン協奏曲』が含まれている)でありながら、ご存知の通りバッハの名演(マタイ受難曲、ヨハネ受難曲、ロ短調ミサ、教会カンタータの数々、フーガの技法、音楽の捧げもの、管弦楽組曲、そして忘れてはいけないヴァルター・バリリをソロに迎えたヴァイオリン協奏曲 など)でも知られている

 

バリリ氏が講演と公開マスタークラスを行った高崎の会館で”入待ち”してサインをいただいた「バッハ ヴァイオリン協奏曲」のオリジナル盤(WESTMINSTER WL 5318)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当然と言うべきか、その音楽解釈もその作品が生まれた時代、さらにはシェルヘンの活動時期によってもかなり異なり、古典的な端正な教科書的演奏、いわゆる新即物主義に貫かれたものもあれば、先のマーラーのような表現主義の極致のような演奏もある。
例えば同じベートーヴェンの交響曲でも、1950年代、WESTMINSTERに録音したものと、“盤鬼”たちの間で崇め奉られた、ルガーノ放送管弦楽団を振った晩年のライブ録音全集が、同じ指揮者のものだとは到底思えない。

そういった意味ではブランデンブルク協奏曲も同じで、2回目の録音はWESTMINSTERにレコーディングされた同時期のシェルヘンのレコード同様、古典的なフォルムをベースにしながら、そこに少しばかりのロマン的香りを纏わせた、“ウィーン的”音楽。一方、1回目の録音はパリの演奏家たちとの“遊び”を楽しむような、かなり自由な、弾けた演奏のように聴こえる。
喩えて言うなら、サーカスを観るような、あるいは祭囃子に合わせて踊り続ける血気盛んな若人を眺めるような、極彩色なハチャメチャなバッハだ。

バッハ演奏史の流れで言うと、ニコラウス・アーノンクールと似ていなくもない(実際、アーノンクールがウィーン交響楽団チェリストとして在籍していた当時、シェルヘンはこのオーケストラを指揮してはずなので、面識があっても不思議ではない)。
また、彼のレパートリーの広さや音楽表現の幅、そして理論家としての特徴は、昨年亡くなったミヒャエル・ギーレンに受け継がれている、というのは言い過ぎか・・・。

 

6曲の中でどの曲の動画を上げようかと思案した、というのは大ウソで、一番ヤンチャな第2番で即決定!!

 

 

 

 

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