【ターンテーブル動画】 ハインツ・マルクス・ゲティシェ 『マタイ受難曲』より 第19曲~第20曲(1970年)

ハインツ・マルクス・ゲティシェ Heinz Markus Göttsche(1922 ※リサーチした限りはご存命)が、カイザースラウテルン文法学校カントゥス・フィルムス合唱団、プファルツ青少年合唱団、そしてハイデルベルク室内管弦楽団他と1970年1月2日~5日、ドイツ・ ラインラント=プファルツ州ハースロッホ のプファルツ州立中学校講堂で録音した『マタイ受難曲』BWV244 全曲のLPアルバムより。

ゲティシェは1949年から1960年まで、ホルシュタイン州バートオルデスロでカントルを務め、 1960年からはマンハイム福音教会のカントルに就任。バッハ管弦楽団と合唱団率いてドイツのDa Cameraでバッハのオルガン曲、宗教的声楽曲の数々をレコーディングした。

因みに『マタイ受難曲』以外のゲティシェによるカンタータのLPが手許に4枚ある。

 

 

BWV 55, BWV 160 & BWV 189                           Oryx BACH-1119

BWV106 & BWV161
Da Camera  SM194002

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BWV 52 & BWV 209                       Oryx  BACH-1116

BWV142 & BWV 162       
Da Camera ‎ SM 94015

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして『ブランデンブルク協奏曲』全集も。

Sastruphon SM 91921/22                      Brandenburgische Konzerte                              1. 2. 3. 4. 5. 6

 

これらのLPで聴くゲティシェのバッハは、どれも誠実で張ったりがなく、只々丁寧にバッハの音楽が持つ息吹きを伝えるような音楽だ。
毎度この言葉を使っているようで恐縮だが、「ドイツ地方都市市井のバッハ」で、こういう音楽がドイツの地方都市に暮らす人々の心の糧になっているのだろう、と想像するだけで心暖かになる。

 

 

 

そんなゲティシェが『マタイ』をレコーディングしていることは知っていたが、日本はもちろん、海外のディーラーでも見かけることが全くなかったので、長期戦を覚悟していつかは手にし、聴き込みたいと思っていた。

するとどうだろう、コロナ渦による自粛が明けつつあった今月23日、約3か月ぶりの東京出張の折に立ち寄ったディクユニオン新宿クラシック館で、大物の『マタイ』のBOXに目立たず挟まれたゲティシェの『マタイ』を見つけた。
オリジナルの独Da Camera盤ではなく、米Musical Heritage Societyのライセンス盤ではあったが値段は1,600円。ライナーは付いていなかったがコンディションはよく、「この機会を逃したら・・・。」と思い、試聴もせずレジへ持って行った。

 

 

Musical Heritage Society OR-275/278

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰宅後、1枚目から順に聴いていく(因みにオートチェンジャー仕様で1面の裏は8面)。

冒頭の『導入合唱』が流れ始める。テンポは速くはなく、むしろ遅めだが、決して一歩一歩を踏みしめて歩くような重厚な演奏ではない。「遅いが流れている」という表現が適当か。
そして合唱が登場したらさらにその感を強くする。さらに『マタイ受難曲』の演奏を表現する際、あまり使うことはないような言葉が頭に浮かぶ「この“静けさ”をたたえた『マタイ』は何だ?」。

決して「冷めている」わけではない。ただ「情熱」とか「入魂の」といった言葉はふさわしくはない。静かさをたたえながら聴き手の心に染み込んでいくような、そして聴き手を引き込むような不思議な演奏だ。
「厳格」「求心」といった点で『マタイ』演奏を評価する人からすれば、このゲティシェの演奏は訴えかけるものに欠けている、と思うかもしれない。
しかし、ドイツ人の生活の中の宗教、信仰ということに結び付ければ、『マタイ』の存在意義、「日常に寄り添うバッハ」はこういう演奏のことを言うのではないか?と思ったりする。

そもそも、それがプロであろうとアマチュアであろうと『マタイ受難曲』を演奏する、ましてや録音して後世に残す、という行為自体が、その演奏家にとっては一大チャレンジであり(『平均律』全曲やベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲もそうだろう)、その演奏がどんな解釈に基づいて、どんな演奏技術レベルのものなのか?ということを「あーだこーだ」と言うこと自体、何の意味があるのだろう?と日頃から思っている。

 

さて、動画を上げる際、どの部分を上げようかと思案したが、ソロと合唱の絡みが特に美しいように思えたので、第一部から第19曲のレジタティーヴォと第20曲アリア『われはわがイエスのもとに目覚めおらん」をお届けすることにした次第。
テノールはディーター・エレンベック。オブリガート・オーボエはアドルフ・メイドホフ。

お楽しみくださいませ。

 

 

【プレーヤー】Luxman PD-171
【カートリッジ】audio-techinica VM540ML/H

 

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