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20世紀フランスを代表するヴァイオリニスト、ジノ・フランチェスカッティ(Zino Francescatti 1902-1991)が残した数少ないバッハ録音。
「フランチェスカッティと言えばパガニーニ」ということになるが、実際に彼の父フォルトゥナートはパガニーニの孫弟子にあたる人だったという。
「パガニーニを得意にしていた」=「超絶技巧の演奏家」となり、「テクニックは凄いが演奏は空虚で精神性がない」などとステレオタイプな判断をする聴き手(特にドイツ系の音楽や演奏に心酔する人)もいることは想像に難くないが、そもそも何をもって「空虚」とし、「精神性」とは何なのか?という価値観自体が千差万別であって、この手の議論を交わしてもそれこそそれは「空虚」だということになる。
マーガレット・キャンベルの名著で、日本語訳も出版されていた『THE GREAT VIOLINISTS』を読み進めていけば分かることだが、現代人が知りうる限りの範囲、つまりコレルリやヴィヴァルディから始まったヴァイオリン演奏史が刻まれていく過程で、ヴァイオリンの流派は様々に枝分かれしていった。それはその地域や時代の自然な要請、あるいはそれこそパガニーニのような突然変異のような天才が登場することによって起こってきたのである。
フランチェスカッティは同じく20世紀を代表するヴァイオリニスト、ジャック・ティボーの薫陶を受けたが、テクニックについては不安定なティボーとは異なり、技術とその美音でその存在感を高めていった。
彼を代表するレコードのひとつ、パガニーニの1番とサン=サーンスの3番を収めたモノラル録音を以前から愛聴しているが、ここに聴かれる音楽は技術と美音のみで凄いのではなく、しっかりとした曲の見通し、初めて演奏されるような新鮮さ、放たれる芳香もあり、名演となっているように思われる。
卑近な喩えになってしまうが、ヨーロッパのホテル朝食会場のドリンクコーナーでよく見かけるオレンジを丸ごとセットして、そこから果汁を搾り出したオレンジ・ジュースのような感じ、といったらよいだろうか?南ヨーロッパの太陽を浴びて育った柑橘類のような音楽・・・。
フランチェスカッティはロマン派の華麗な音楽のみをレパートリーにしていたわけではなく、例えばベートーヴェンのソナタにもしっかりとアプローチし、独自の演奏を生み出していて、その評価も高い。
『シャコンヌ』は以前、シゲティの【ターンテーブル動画】を上げたが、それと比較してどうこう、というのは無粋というものだろう。
そして、バッハの音楽は、自らのプライドと信念をかけて演奏したこのタイプの全く異なる2人の演奏家のアプローチをしっかりと受け止める多様性を内包している、ということに帰結するわけだ。
【プレーヤー】
Techinics SL-1200Mk4(78rpm対応機種)
【カートリッジ】
audio-techinica VM610MONO
【フォノ・イコライザー】
合研LAB GK05 monoSP(各種イコライザー・カーブが簡単に設定できるモノ盤とSP盤に特化したイコライザー。コスパ最高!)
主に声楽作品以外のバッハの名盤、珍盤、モノラル盤、SP盤(78rpm)のターンテーブル動画を配信していきます!
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