Ritomoのこと

2つ目の記事もお読みいただきありがとうございます。
予告通り、今回は今、私の仕事の中で最もホットなことについてお話しさせていただきます。

Ritomo のことです。

K-mixオフィシャルサイトに彼女の特設ページがあるので、詳しくはそちらをご覧いただければと思いますが、Ritomoは今年3月に行われたK-mixの県内アマチュア・ミュージシャンのためのオーディション企画「神谷宥希枝の独立宣言 ザ☆オーディションVol.11」でオリジナル部門グランプリに輝いた静岡市在住の大学生兼歌うたい兼消しゴム版画家で現在23歳の女性です。
これまでこの「ザ☆オーディション」ではグランプリを獲得したアーティストを中心に、K-mixがミュージック・ステーションとしてできる様々なサポートを行ってきました。1曲レコーディングのプレゼント、楽曲のCMタイアップ、イベントの出演、レギュラー番組の放送・・・と、そのサポート方法はそのアーティストの特徴や希望を踏まえています。
例えば、現在も「畑中摩美のまみの『す』」(土 5:30~6:00)を担当していただいている畑中摩美さんは、第3回のグランプリ受賞者です。

Vol.11のオーディションは、過去にないほどのハイ・レベルな大会になりました。特に地区予選を勝ち抜いて本選に出場したオリジナル部門出場者9名のうち7名がギター弾き語りのシンガーソングライターで、いずれも一癖も二癖もある個性の持ち主でした。
Ritomoさんは浜松地区予選に出場したのですが、この予選のオリジナル部門を勝ち抜いたのは彼女と、tori liccaさん、Moaさん。3人ともギター弾き語りのシンガーソングライターの女性アーティストです。私はこの時、審査員を務めていたのですが、3人のあまりの素晴らしさにとっさの思い付きで「これは沼津地区、静岡地区の出場者の方には内緒にして欲しいのですが、この3人の中で本選で素晴らしい結果をもたらすことができた方には、まだ情報解禁さえしていませんが、7月27日に行うことが決まっているK-mix でレギュラー番組を持っているギター系アーティストのショーケース・ライブのオープニング・アクトとして出演してもらいたいです。」と口走ってしまいました。

Ritomoさんがこの時歌ったのが「我が春」です。

地区予選では審査員の手元に出場者のエントリーシートはありますが、歌詞はありません。
Ritomoさんが「我が春」を歌い進めていくうちに、これが「売春婦の歌」ということがわかっていきます。そう思い始めるとこの曲の持つ特異性、違和感、疑問、つまり身長150cm程度の、美しい声を持った可愛らしい女子大生が、何故この曲を歌っているのか?何故この曲を作るに至ったのか?シンガーソングライターは自分の経験、体験をモチーフに曲作りをするけれど、当然この曲はそうではなかろう・・・?、という「?」の嵐が襲い掛かってきました。と同時に「いや、待てよ。歌詞だけ見ると凄い世界だけど、こうして彼女がギターを弾きながら歌うのを聴いていると、その特異性、衝撃性を飛び越して、何か言葉には表現できない“美しさ”が漂ってはいないか?」と思い始めている自分がいました。

演奏が終わったあとの彼女との質疑応答で、彼女が大学でフランス文学を学んでいること、そこで読んだ作品に描かれている下層市民の生活の困窮にインスパイアされ、この曲を書いたことがわかってきました。
この「我が春」という曲は「生きるために明日から娼婦になることを決意した女が、愛する炭鉱夫の男と最初で最後の一夜を共にする」という歌だったのです。

この曲については特設ぺージに彼女自らの言葉で語られているので、そちらをご覧いただきたいと思いますが、Ritomoさんや「我が春」に接して、同じような思いを抱いたかなり昔の記憶が呼び戻されました。

1994年にリリースされたBOSSANOVA CASSANOVAのデビュー曲「恋のゆくえ」です。

K-mixを昔からお聴きいただいている方ならご存知の通り、田村庄一と吉澤秀人のユニット、BOSSANOVA CASSANOVAはこのデビューの翌年1995年から足掛け18年、K-mixでレギュラー番組を持っていたK-mixの歴史に残る、私にとってはとても大切なアーティストです。彼らについてはまた改めてこのブログで触れる機会があるかと思いますので、今日は先を急ぎます。

「恋のゆくえ」は妻子ある男性と不倫関係に陥った女性の悲哀、諦観、執念を女性一人称で歌った曲です。「デビュー曲が不倫の曲」というこのかなり大胆な戦略に驚きつつも、美しく切ないメロディーに、田村庄一という稀代のボーカリストの歌声が乗ると、不倫の歌であるにもかかわらず、そこに「女性普遍の美しさ」というべきものが浮かび上がってくるのです。

そうなのです。Ritomoの「我が春」もBOSSANOVA CASSANOVAの「恋のゆくえ」も「人の倫に外れた背徳の世界から抽出、昇華された女性の美しさが表現されている。」ということで共通しているのです。25年の時を隔て、再びこの「美しさ」に触れることができたこと、これは私にとってはもう偶然ではなく、必然なのだと確信するような出来事です。

 

2019年3月10日、「ザ☆オーディションVol.11」でRitomoさんは他の審査員からも絶賛され、見事ソロ部門グランプリを獲得しました。

これを機会に、私は彼女が持っているであろう様々な可能性をもっと引き出したいという衝動に駆られることになります。
彼女が作り、歌う曲の魅力はもちろん、彼女と話している時に感じる感性の広がり、「消しゴム版画家」というかなり気になるキーワード、そして何と言っても彼女が曲や版画で表現するのと同じくらい、「しゃべる」ことにより彼女の表現手段の幅がグッと広がるのではないか?という直感のようなもの・・・。
そこで早速、「3週間後の4月第1週から、5分だけれどもレギュラー番組を始めましょう。」と持ち掛け、「Ritomo 240秒の隙間」(土 19:55~20:00)がスタートします(ちなみにこの番組タイトルは彼女が考えました)。

そして、彼女の音楽と消しゴム版画を気軽に多くの人に知ってもらうために、「我が春」を含んだ2曲入りワンコインCDを彼女制作の自画像版画をジャケットにし、K-mixからリリースすることも決めました。K-mixが自社レーベルを立ち上げ、アーティストをサポートするというのは36年の歴史の中で初めてのことです。

番組、リリース、とくれば次はライブです。先程もお話ししたように浜松地区予選で私が口走った7月27日のイベント「K-mixアーティスト 夏休みコンサート“ギターのまちでもあるんだよ”」にオープニング・アクトとしてにRitomoさんは出演します。共演する拝郷メイコさんや岡野宏典君、京太朗君も彼女のことを絶賛してくれています。
CDのリリースをこの7月27日としましたので、Ritomoさんにとってはレコ発ライブということになります。

更に彼女は大学卒業という一つの節目にあたる来年3月29日に「静岡ROXYでのワンマン・ライブで200人を集める」という、現時点では明らかに無謀と思える目標を自ら設定しました。
私たちはその無謀な目標が「いや、これはもしかしたら・・・。」とみんなが思えるようになるように、3月29日までのロードマップを作成し、彼女をしっかりとサポートしていきたいと思っています。

 

この新しい才能に是非ご注目ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿をシェアする

LATEST BLOG

いつでも、どこでも、K-MIX!

ラジオで聴く

  • 静岡

    79.2MHz

  • 浜松

    78.4MHz

  • 沼津三島

    86.6MHz

  • 掛川

    80.3MHz

  • 島田

    85.9MHz

  • 富士富士宮

    85.8MHz

  • 下田

    80.5MHz

  • 東伊豆

    78.6MHz

  • 御殿場

    81.6MHz

  • 熱海

    83.0MHz

スマホ・タブレット・PCで聴く

県内のラジオ、過去1週間分無料。
プレミアム会員で全国配信。

→ radiko 公式サイト

RADIO

現在地の周波数に
チューニング

radiko

県内のラジオ無料
プレミアムで全国配信