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「ケンタッキー・フライドチキンを何の気恥ずかしさもなく、男女二人が向かい合ってかぶりついたら、その二人はそれが恋愛であれ、友愛であれ、組織内の上下関係であれ、お互いに気を許した証拠」と、大学時代にクラスメートと話題になって盛り上がったことがあります。そんな異性が果たして自分の周りにどれだけいるだろうか？ と。女性と手も口元も油まみれでケンタに次から次へとかぶりつく・・・。私の頭の中ではかなりハイスコアな「幸せの風景」です。
実際に就職してから仕事の関係上、自分よりも若い女性とケンタを食べる、という機会が結構ありました。何故ならその頃のK-mixは「遠鉄名店ビル」という商業ビルに入っていて、そのビルの隣にケンタの浜松店があったからです。
当時私はある3人組アイドル・ユニットと番組をやっていて、そのうちの若い子2人と、番組収録が終わるとよくケンタに行ったものです。マネージャーは同行していません。20代の私は接待費を使える分際ではありませんし、アーティストだからといって鰻を奢ってあげられるほどの個人的財力もなく、そもそも二十歳にもなってもいないこの子たちからすれば、ケンタだって立派なご馳走です。「さわやか」は今ほど人には知られていませんでした。
バーレルを注文して、3人で心ゆくまで油まみれになりました。「ケンタに見る男女の関係」を話してあげると、2人はキャッキャ言って喜んで、店内にカップル客がいようものなら、その2人の一挙手一投足を見逃すものかと凝視して、聞き耳を立てて2人の会話を聞き出そうとするのです。素直に「若いっていいな。」と思ったものです。
何故、いきなりこんな話をしだしたかと言えば、今日1月17日、私はある女性とお昼ご飯に行って、とても愉快な気持ちになり、似たような思い出として、25年以上も前のこのケンタのことがスッと頭に浮かんだからです。
行った場所は浜松市の中華そば店「一文字 結」です。
この女性は「白くて太くて長いもの」が、この世の中の食べ物の中で一番好きなのですが、以前「好きな食べ物ランキング」で「チャーハン」を第2位にランク付けしていました（でも、第1位以外は結構順位が変わるみたいなので、現時点でチャーハンが第2位なのかは定かではありませんが）。
そんな彼女に1年ほど前「浜松に最強のチャーハンがあるから、実家に帰ってきてらご家族で行ってみるといい。」と「結」のことを話したことがありました。
今日午後1時頃に彼女との仕事が終わったので、お昼ご飯を一緒に食べよう、ということになり、「前に教えてあげたラーメン屋さん、行った？」と聞くと「まだ。」というので、「じゃあ、最強のチャーハンを食べに行こう！」と相なって「一文字 結」に向かったのです。
ここはもちろん中華そばのお店ですが、チャーハンが超人気メニューです。香ばしい醤油の香りと具の絶品チャーシュー、パラパラ過ぎず、米一粒一粒に味が行き渡って存在感があり、とにかく食欲をそそるのです。
いつもは行列必至の店ですが、時間が少し遅かったせいかすぐに席に案内され、彼女は「しお中華そば」、私はそれと並んで「結」の人気ラーメン「浜松ブラック」（二度仕込み醤油を使ったスープの深い味わいが絶品）をそれぞれ注文し、さてチャーハンはどうしましょう？ということになり、結果、大盛りを一人前注文し、シェアすることにしました。
ラーメンとチャーハンがテーブルに置かれ、いざ実食。彼女は「これはたまらんわ！」と言ってニコニコしながらラーメンとチャーハンを食べ進めます。とにかく今日は彼女にこのチャーハンを堪能してもらいたかったので、彼女が器からそのまま食べ、私は小皿に取り分けて食べたのですが、おそらく大盛りチャーハンの2/3が彼女の胃に収まったのでは？と思います（だったら最初から、彼女1人で普通盛り一人前注文すればよかった、のん？）。
「ご飯を美味しそうに、しかもたくさん食べる女の子」を見るのは実に気持ちのいいものです。
加えてチャーハンを食べながら、彼女と差しで色々なことを話せたのも、とても有意義で楽しい時間だったのです。
今日はラジオの話も、音楽の話もありません。
しかし、彼女が表現する歌、ダンス、おしゃべり、そして演技の源がやはり「食」にあることを思い知らされ、そんな彼女が生み出すものを一人でも多くの人に届けたい、と改めて心に決めた大切な1時間でした。
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