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夏のコンサート & ライブ 4days

今回は89日(金)から12日(月)まで、4日間のコンサート&ライブ三昧のお話。

9日、私は午後から大阪へ向かいました。大阪を本拠地にして活動している日本センチュリー交響楽団の定期演奏会を聴きに行くためです。通常の定期演奏会とは別に年4回「いずみ定期」と言って、いずみホールという中規模のホールで、古典派音楽を中心に取り上げる定演がセンチュリーにはあります。そして、2016年からこのいずみ定期は、首席指揮者の飯森範親氏と共に、“交響曲の父”と呼ばれているハイドンの100余曲ある交響曲全曲を演奏する「ハイドン・マラソン」という、日本のクラシック音楽シーンの歴史に残るであろうシリーズになっています。

既に全曲の半分弱まで演奏されているのですが、ハイドン好きな私はこの定期演奏会の会員になって、毎回聴きに行っています。レコードやCDでハイドンの交響曲全曲を聴くことは、現在では容易いことになりましたが、後期の有名曲ならともかく、初期、中期の作品を生で聴く機会はほとんどありません。ハイドンの交響曲はどの時代のものであっても、それが決して人気のある作品でなくても、創意工夫に溢れていて、人を飽きさせることのない傑作揃いだと思っているので、この「ハイドン・マラソン」を年間を通じて心待ちにしているのです。

この日は4番、10番、89番という、それこそ演奏会で取り上げられることはまずない(私自身も生で聴くのは初めて)3曲に加え、チャイコフスキー国際コンクール・ピアノ部門第1位を獲得したこともある上原彩子さんが、現代のピアノではなく、ハイドン、モーツァルト時代の楽器、フォルテピアノでモーツァルトのピアノ協奏曲第19番を演奏する、ということもあって、いつものマラソンよりも多くのお客さんが集っていたように思います。

演奏会はいつも通り、飯森シェフの意図を見事に吸収したオーケストラが、活き活きとした表情豊かなハイドンを作り上げていきます。上原さんのフォルテピアノも、現代のピアノと較べて機能的に劣るということを全く感じさせない、天を駆けるが如くの躍動感を伴って演奏され、会場はブラボーの声が溢れました。

 

その夜は大阪に宿泊し、翌日10日は京都で中古レコード屋巡り、そして現時点で「超個人的全国とんかつランキング第1位」のとんかつ屋さん(秘密)で昼食を堪能、浜松に戻り、そのまま浜松窓枠へ。KAI BANDのツアー・ライブに足を運びました。このライブはチケット即ソールドアウト。会場はまるでお盆の長島スパーランドの波のプールの如く、オーディエンスは身動きが取れない状態。

KAI BANDのライブを観るのはかなり久しぶりでしたが、やはり感じるのは演奏の正確さ、安定感の上で、自由に歌っていくよしひろさんのボーカル力、懐の深さです。

KAI BANDと聞いてロックのイメージを持つ方が多いかと思いますが、個人的には「裏切りの街角」や「ビューティフル・エネルギー」のようなフォーキーな曲が大好きなので、ホールではなくライブ・ハウスの至近距離で、この2曲が聴けたことで大満足なライブとなりました。

 

11日は東京・有楽町に出向き、ヒューリックホール東京でSTARMARIEの単独公演「FANTASY CIRCUS 第五幕~化けビトたちの音楽会~」を「鑑賞」。

ここ12年の間、私が最も多くライブを観ているのがSTARMARIEです。年に一度の大規模単独公演、STARMARIEの公演史上最高最強のパフォーマンスだったと断言します。

STARMARIEの公演は通常ノーMCで、アンコールで初めて言葉を発するということになるのですが、今回はアンコールすらなく、5人は歌う以外一度も言葉を発することなくステージを後にしたのです。エンドロールが流れ、公演が幕を閉じ、会場内が明るくなっても、私はしばらく席を立つことができませんでした。言葉にできない充足感に満たされていたのだと思います。

STARMARIEを単純なアイドル・グループだと思っている人はまだまだ多いですし、そもそも彼女たちの知名度はまだまだなのも事実です。しかし今回「これだけのコンセプチャルな世界観を表現し、人間の価値や尊厳について考えさせるアーティストが、果たしてどれほどいるものなのか?」という思いをさらに強くしたのでした。

この公演では席から立ち上がるお客さんは最後まで1人もおらず、サイリウムが振られたり、コールしたりすることも一切ありません。各曲が終わった後の拍手も「果たしてここで拍手していいものか?」と観客が戸惑っているかのように、まばらにしか起こりません。この公演が「11曲の積み重ねで成り立っている」というよりは、「公演そのものがひとつの分かち難い創造物」であったことを証明していたように思います。「ライブ」というよりは一編のお芝居を見ているような、アンコールがないということで言えば、宝塚歌劇団にも通じるような素晴らしい公演でした。

終演後、メンバー5人とハイタッチした時、彼女たちのことをとても誇らしく思うのと同時に、5人をここまで引っ張り上げた所属事務所社長で、卓越した演出・脚本家である高谷祐介氏を改めてリスペクトせずにはいられませんでした。

そして、彼と5人の間に張られた「これしかない。」と言えるテンションの素晴らしさには舌を巻くばかりです。

 

12日は、ここまで3日間がプライベートであったのと異なり、仕事です。

少し前にこのブログでも触れた「つだみさこ&オガワマユピアノのまちからこんにちは・プチ」。カワイ浜松のコンサートサロン・ブリエで、カワイの最高級モデルSK−72人が弾き歌うという企画です。この催しは今年3月に行った「ひな祭りコンサート“ピアノのまちからこんにちは”」の第2回を来年春に開催することを目標に、出演した7アーティストの中から2名が出演して親密な空間を作ってみよう、という思いで企画したものです。K-mix Midnight Rendez-vous “ミドラン”」木曜日を担当するみさこさんマユさんという気心の知れた2人それぞれの個性と、それが交わり発せられるコラボレーションのマジックが一度に、しかも、手を伸ばせば触れられそうな至近距離で味わえるコンサート。県内の方はもちろん、首都圏から2人のファンも沢山駆けつけていただき、楽しいひと時を過ごしていただいたかと思います。

今回、会場をロケハンした時、ピアノの音の鳴り方があまりに豊かだったので、これならピアノはマイクで拾わずに生音でお届けした方が、SK−7の本物の音を堪能していただけるのでは?と思いました。そこで2人には「当日弾いてみて、生音で行けちゃうなら是非そうしましょう。」と事前に伝えていたのですが、実際にその通りになって、SKの特徴だと思える「音の透明感」がとにかく半端なく伝わってきたのです。

この「ピアノのまちからこんにちは・プチ」は、春の「ピアノのまちからこんにちはVol.2」の開催まで、もう1回開催できたらと考えているので、次は誰と誰がどんなピアノと歌を届けてくれるのかご期待ください。

後片付けも終わり、みさこさん、マユさん、そしてコンサートを観にきていたRitomoさんの4人で、浜松一のピッツェリアにて、それは美味しいピッツァをいただきながら、歓談。普段、「ミドラン」木曜日は東京で収録されているので、思えば2人とこんなにゆっくり話をするのも初めてかと・・・。みさこさんとマユさんにRitomoさんを紹介することもできて、それもよかったのではと思います。

 

 

ジャンルも会場の雰囲気も規模も全く違う4つのコンサートとライブ。共通して言えるのはやはり「生に勝るものなし。」ということでしょうか?

 

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